―経営者は語る―

「社員の成長が企業の成長」

日華化学株式会社 社長 江守康昌

 

 いろんな機会を捉えて社員の皆さんと話をする場を持っています。この2,3年大きな方針を変えずに「信頼と成長」を会社のモットーとして経営を進めていますが、とくに「成長」について考えています。

 まず、成長と膨張とは違うと思っています。

 成長とは、社員一人一人が、昨日より今日、今日より明日、また去年より今年、今年より来年、少しずつ成長していくことです。例えば、売上が為替差益や偶然の幸運など外的な要因で飛躍的に膨れあがる、それに応じて一挙に社員数が増えたりする。こういうことを膨張と言っております。膨張はしたくありません。確実に社員が成長することで会社が確実に伸びていくことを目指したいと思っています。

 そのためには、お客様の満足を第一に考えます。

 社員一人一人がお客様を向いて仕事をしていくという基本姿勢を貫いて欲しいと思っています。お客様からよろこばれることが、社員にとって、企業にとって一番嬉しいことです。社員のやる気やモチベーションは、お客様の喜びの声の数に比例します。

 お客様から信頼を得る企業は、そこに働く社員の仕事も楽しいものになると信じています。何ものにも代えられないのが働く喜びです。お客様からの感謝の声が、喜びの原点であることは疑いようもありません。

 「信頼と成長」を掲げて中期(05年〜07年)経営計画の最終年度を迎えました。お客様に信頼され、社員同士が信頼しあって、いきいき楽しく仕事が出来る企業風土をつくっていくことを目指しています。国内市場が海外にどんどん裾野を広げている時代です。海外の連結会社も含めて、1100人を超す社員が信頼と成長の輪を広げることが出来るよう経営の舵を取りたいと思っています。